OVERVIEWガングリフォンII詳細解説

『ガングリフォンII』は、ゲームアーツが開発し、ESPから1998年4月23日に発売されたセガサターン用3Dロボットシューティングゲームである[1]

シリーズ第2作となる本作は、第1作の作りを継承しつつ、そこに通信対戦と協力プレイ、兵装・僚機の選択、SURVIVALモードなどを加えた発展形にあたる。メインのSCENARIOモードでは、プレイヤーはシン・中野として試作型の12式改(HIGH-MACS II)を操り、北アフリカから中国を転戦する。

ベースとなる第1作と共通する要素については「ガングリフォン ~ザ ユーラシアンコンフリクト~詳細解説」に譲り、本記事では主に第1作との差異を扱う。

ゲームシステム

モード構成

ゲームモードはSCENARIO、EXERCISE、VS. BATTLE、SURVIVALの4種類である。また、対戦ケーブルでプレイ映像を別の本体へ中継するLIVEモードがある。

SCENARIO

2015年2月から9月まで、第三次世界大戦を戦う全8ミッションの本編。クリアすると1ミッションずつ開放される。初めはEASY、NORMAL、HARDの3つの難易度があり、HARDをクリアするとVERY HARD、さらにVERY HARDをクリアするとEXPERTが選べるようになる。

EXERCISE

配置された全機を破壊してゴールへ向かい、所要時間を競うタイムアタック。ビギナー・エキスパートの2ステージがある。前者は、沖縄にあるMDM社AWGS研究所の、シミュレーター上の仮想空間という設定である。後者の舞台は東富士演習場で、総合火力演習で見るような標的板が並び、北側の背景には富士山が描かれている。シリーズ中、日本国内を舞台とするステージはこの2つだけである。

VS. BATTLE

本作で追加された、対戦ケーブルで2台のセガサターンとテレビを接続し、プレイヤー2名で戦う対戦モード。攻撃側と防御側に分かれ、攻守が40秒ごとに交代するという独特のシステムを採用している。相手機はレーダーに表示されないが、マップ内には対戦と無関係のAWGSや車両もいるため、音と目視で相手を捜す必要がある。

射撃ができるのは攻撃側のみで、防御側は回避に徹することしかできない。ただし、VS. BATTLEモードには「SIDE CHANGE」という仕組みがある。これは、防御側はそのターンの残り時間が30秒になると、攻撃側を照準内に2秒間捉え続けることで攻守を入れ替えられるというものである[2]。相手を先に発見してSIDE CHANGEを成功させれば、90式戦車対HIGH-MACSのような戦力差のある組み合わせでも勝つ可能性がある[3]

SURVIVAL

本作で追加された、防衛対象を守りながら、出現し続ける敵を制限時間内に何機撃破できるかを競うモード。敵の種類と出現順は乱数によって変わるため、同じステージでも防衛の展開は一定しない[3]

対戦ケーブルを接続した場合は、いまでいうCOOPにあたる2人協力出撃が可能となる。同士討ちも可能なため、敵を無視すれば、攻守を設けずにプレイヤー同士の対戦を行うこともできる。

VS. BATTLE/SURVIVALのステージ

両モードのステージは、初めから選べる「ウラジヲストク」「リレハンメル」と、条件を満たすと追加される「ヘジャス」「バレンツ」で構成される。本体メモリーに第1作『ガングリフォン』のセーブデータがある場合は「ヘジャス」が追加され、『ガングリフォンII』のSCENARIOをNORMAL以上でクリアしたデータがある場合は「バレンツ」が追加される。

SURVIVALモードでは、ウラジヲストクはC-17、リレハンメルは点在するミサイル車両、ヘジャスでは丘の上に設置されたパラボラアンテナを防衛する。バレンツでは氷上を間欠的に飛行するCH-53を護衛する。

VS. BATTLEとSURVIVALでは、自機を12機種から選択できる。HIGH-MACS IIと第1作のHIGH-MACS以外にも、AWGS、攻撃ヘリ、戦車・対空車両を操作でき、機種ごとに移動方式・兵装・火力が異なる。また、クリア後に裏技を使用すると、SCENARIOモードでも同様に機種を選択できるようになる。ヘリに乗れば地形を無視できたり、逆に鈍足な車両では護衛対象に追随できないなど、難易度が大きく変化する。

なお、本作ではリプレイ機能が追加され、プレイ後にリプレイを再生したり、パワーメモリーへ保存できるようになった。リプレイでは、自機を外部から見たり、自機以外のユニットにフォーカスして閲覧することもできる。

基本操作とギミック

『ガングリフォンII』のコックピット画面
コックピット画面

前作同様、プレイ中の視点はコックピットビューに固定されている。『II』ではHUDがカラフルになり、自機の耐久力を示すHPゲージが導入された。また、攻撃が命中すると「HIT」、敵を撃破すると「DESTROY」と表示される。

本作では移動と照準に慣性が加わり、機体の動きが滑らかになった。照準の微調整がしやすくなった反面、旋回には時間がかかる。ジャンプ中は停止が基本状態で、X/Aボタンを押し続けている間のみ前進または後退する。

第1作にあった赤外線暗視装置は廃止され、代わって自機の約200メートル前方へ爆撃を要請する支援攻撃が加わった。兵装は前作と同じGUN、MG、RP、ATMに、近接信管を用いるVTGと3点バースト射撃の3SGを加えた6種類から選択する。ATMは、発射後まで照準を合わせ続ける方式から、目標をロックオンして発射する撃ち放し方式へ変更され、2連射が可能な形に改められた。

本作では、撃破された敵などが爆発する際に、近くにいると爆風のダメージが生じるようになった。これにより、密集した敵を撃破すれば巻き込むこともできる。ただし、爆風で倒された敵は、SURVIVALモードの撃破数やミッションでの撃破率(下記参照)には計上されないため、ハイスコアを狙う場合は計算された攻撃が必要となる。

補給ヘリによる給弾・修理のシステムは健在だが、給弾は一斉に行われず、その時点で選択している兵装だけになった。残弾と戦況を見て、どの兵装を補給するかを能動的に決める必要がある。

特筆すべき点として、1人で1機を操縦するSINGLE SEATERに加え、2人で1機を操縦するDOUBLE SEATERモードが新設されている。DOUBLE SEATERでは、1Pが機体の移動と照準の左右操作、2Pが照準の上下操作と射撃を受け持つ。

ゲーム内容

ミッションの流れ

『ガングリフォンII』ミッション1のブリーフィング画面
ミッション1のブリーフィング画面

キャンペーンモードであるSCENARIOでは、ミッション選択、ブリーフィング、兵装選択、僚機選択を経て作戦を開始する。

ブリーフィングでは戦況説明や作戦目標が説明されるだけでなく、背景では「ベルリン・リリィ」による厭戦放送と、それを聞くHIGH-MACSパイロットたちの会話(ボイスドラマ)も流れるという趣向で、世界観を伝えている。ベルリン・リリィは、日本外人部隊に向けて戦況を伝える若い女性で、新山志保が演じた[4][5]

本作では、兵装と僚機を選択することができるようになった。兵装は先述の通り6種類から選べる。僚機はHIGH-MACSまたはアパッチから最大で8種類が用意され、それぞれが異なる戦法を取る。

ブリーフィングを終えると、HIGH-MACS IIのOSを起動する読み込み画面へ移る。「るるるるる……」と聞こえる電子音の後にコックピット画面へ切り替わり、作戦が始まる。

任務終了後のリザルト画面にはスコアと部下などの講評が示される。本作には「撃破率」の項目があり、自らの射撃で敵を撃破した割合がカウントされる。爆風によって倒した場合はカウントされない。

各ミッション概要

SCENARIOモードは8ミッションで構成される。ミッション1~3は北アフリカ戦線の第501機動対戦車中隊、ミッション4・5ではロシア・中国の第502中隊、ミッション6・7では中国戦線の第504中隊の作戦となっている。ミッション8ではミハイル・ハルトマンと一対一の対決となる。

『ガングリフォンII』ミッション1の戦闘画面
ミッション1の戦闘画面

ミッション1 PREEMPTIVE ATTACK

2月9日、北アフリカ リビア砂漠 アウジラ。砂漠に空挺降下し、リビア軍の輸送部隊と護衛のPEU軍を撃破する。開戦の引き金となった奇襲作戦と同日であり、シナリオ名も「先制攻撃」を意味するが、別の戦闘である。

ミッション2 LOST VICTORY

2月12日、シジバラーニ 淡水化プラント。ドイツ・リビア軍が接近するなか、日本外人部隊はプラントに取り残された邦人エンジニアを救出する。救助ヘリCH-53の護衛が任務である。

ミッション3 VALENTINE POCKET

2月14日、カッタラ窪地。崖に囲まれた隘路を後退する第101機甲師団の護衛。四方から襲ってくる敵のほか、思わぬところから出現する敵機に的確に対処する必要がある。

ミッション4 ICE CRYSTAL

5月7日、コラ半島。APC要人を乗せて墜落した輸送機の生存者を救出する。墜落現場での救出を行うCH-53と、中国軍の原子力潜水艦が護衛対象となる。氷上での戦闘で、機体の操作感が地上と異なる。

ミッション5 ANGEL PRESENT

6月3日、ジャルタイ。戦略ミサイル基地に残された核弾頭を回収すべく、周囲に布陣しているPEU軍を撃破する。本作で初めて、3次元機動の可能なヤークトパンターが敵として出現する。

ミッション6 COUNTER ATTACK

8月17日、山東省 タンチェン。米第101空中突撃師団・第82空挺師団が展開する航空基地へ空挺降下して強襲する。第1作のミッション6とは逆に、C-17輸送機3機を撃破することが目標。

ミッション7 HELL'S HIGHWAY

9月9日、山東省 チーナン。黄河を渡って後退する第103機甲師団と第1空中機動師団を護衛する。大河をまたぐ長大な橋の上で戦う異色のステージ。川に降りると速度が低下するため、移動時は注意が必要となる。

ミッション8 BOUNCER

9月25日、百霊廟。巨大な屋内空間をアリーナにした一騎討ち。武装解除を拒むミハイル・ハルトマンのヤークトパンター2(通常のヤークトパンターと異なりGUNを装備している)を撃破すればクリア。

物語構成

全8ミッションは、12式装甲歩行戦闘車改、あるいはそのパイロットであるシン・中野を主人公として進行する。はっきりした人物紹介は置かれないが、ブリーフィング背景の会話で交わされる「シン」「中野中尉」といった呼びかけや、クリア後に表示される「機動対戦車中隊戦歴」が、キャラクターの輪郭を明らかにしていく。

ベルリン・リリィの放送内容は戦局に従って変化し、敵味方が同じ戦争に消耗していく過程を伝える。序盤には挑発的な言動を取るリリィが、ドイツ軍の劣勢が深まるにつれて同隊を慰め、激励するようになり、最後には戦闘を続けるドイツ兵へ降伏を呼びかける。初めは放送に反発していたパイロットたちも、次第にベルリン・リリィの変化を気にかけるようになってゆく。

本作で敵側のキャラクターとして設けられているのが、黒いチューリップのパーソナルマークをつけたドイツ軍のエースパイロット、ミハイル・ハルトマンである。ミッション2はストゥームパンター、ミッション5はヤークトパンターに搭乗して現れ、味方の通信や、パイロット同士の会話で注意が向けられる。最終ミッションはハルトマンの指名であることが米軍の少佐に明かされる。

詳しくは「第三次世界大戦資料館」の「放送記録」を参照のこと。

代表的な登場ユニット

本作では、M16の高機動型M16A1、ティーガーの高機動型ストゥームティーガーなど、敵AWGSにもローラーダッシュを使う機種が増え、戦闘が第1作より高速で機動的になった。敵AIも強化されており、ローラーダッシュする敵機は被弾するとジグザグ走行による回避を行う。

12式改(HIGH-MACS II)

本作の主人公機。12式をベースにした試作機で、量産されていないが、攻撃力・機動力・装甲防御力のすべてにおいて12式を上回る性能を持つ[6][7]

ストゥームパンター

パンター歩行戦闘車にコンバットタイヤを装着し、ローラーダッシュを可能にした高速AWGS。ミッション2でのミハイル・ハルトマンの搭乗機。

エレファント

前作から登場する4脚の大型AWGS。移動速度が遅いが耐久力に優れる。自機として使用すると攻撃力が極めて高い。第1作よりやや大型化している。

M19A1ブルータルクラブII

前作でプレイヤーを苦しめた4脚型AWGS。自機として使用時、ローラーダッシュ中に旋回すると、車体が横滑りしてドリフトするような感触になる。

2S6Mツングースカ

ロシアの対空戦車。自機としても操作でき、その場合はMGとATMのみ装備可能である。

表現・演出

視覚表現

画面表現は第1作よりパワーアップした。砲弾と爆発は点光源として周囲を照らし、ミサイルは軌跡に白い煙を残して飛ぶようになった。車両が走行時に巻き上げる土煙や、ヘリのダウンウォッシュ、爆発の衝撃も地面へ広がるように描写される。全体の色彩は鮮やかになり、機体色は迷彩というより明瞭な塗装のように見えるようになった。

第1作では撃破されると同時に車両などは消えていたが、本作では残骸がしばらく残って炎と煙を上げるようになった。また、AWGSには撃破時のモーションが追加され、2脚型なら転倒し、多脚型なら沈み込んでから爆発するようになった。

演出

地形の種類が増えて、ローラーダッシュ中の機体が滑る氷上で戦うステージや、川を長い橋で渡るステージが登場する。崖に挟まれたステージでは、崖の上から飛び降りて出現する敵もおり、地形が演出の面でも有効に作用している。夜間の戦場は第1作のキエフより明るく、ゲーム的な見た目になった。

音声面の演出としては、作戦中に友軍の交信がBGMのように流れ続けるようになった。この交信は賑やかしであり戦況に即して変化するわけではないが、それとは別に特定の敵へ注意を向ける台詞や、補給ヘリ、護衛対象などから場面に応じて通信の入る演出がある。

オープニング

本作のオープニングは、第1作のようなプリレンダリングCGムービーではなく、ゲームと同様の映像をリアルタイムで描画するものである。再生中はカメラが自動で切り替わり、自機や周囲の戦闘を外部視点から映す。パワーメモリーにリプレイデータが保存されている場合は、そのデータを用いた映像がオープニングで再生される。

開発

第1作の開発終了が近づいたころには、敵として登場した戦車やヘリコプターを自分で操縦する案がスタッフ間で共有されていた[3]。第1作発売後の制作スタッフ座談会で、宮路武は次回作の構想として、片方がヘリコプター、もう片方がロボットを操る通信協力プレイや、リビア砂漠を含む各国のシナリオを挙げている[8]。『II』では、VS. BATTLEとSURVIVALでの機体選択、対戦ケーブルによる協力プレイ、それにミッションの舞台が北アフリカ戦線になったことで、構想が実現した。

宮路は『ガングリフォン2公式ガイド エースパイロットナビゲーター』に記したプレイヤー向けのメッセージで、第1作には操作系を含む初めての試みが多く、制作意図がプレイヤーへ伝わるか不安だったと振り返っている。第1作の発売後、ゲームアーツへ届いたアンケートや各媒体の評価を読み、目指した方向は間違っていなかったと判断したという。セガサターン2台による対戦については、それだけでも独立した魅力を持つ内容に仕上がったと述べ、総じて「胸を張って「私たちの自信作です」と言える作品」だとしている[9]

発売

発売前の期待作ランキング

『週刊ファミ通』の期待作ランキングには、1998年2月25日号で26位・148ポイントとして初登場した。3月6日号には30位まで下がったが、4月10日号には17位へ上昇し、発売直前の4月24日号は20位・207ポイント、5月1日号は19位だった。ポイントを確認できる号では、4月10日号の265が最高値となる[10]

掲載号順位ポイント
1998年2月25日号26位148
1998年3月6日号30位95
1998年3月13日号29位
1998年3月20日号29位191
1998年3月20・27日号28位178
1998年4月3日号26位249
1998年4月10日号17位265
1998年4月17日号20位244
1998年4月24日号20位207
1998年5月1日号19位

発売後

『ガングリフォンII』は、第1作から約2年後の1998年4月23日に発売された[1]。『テレビゲームランキングデータブック1995.9~1998.8』の月別集計では、1998年4月に30,038本を売って24位、5月は10,582本で67位となり、5月時点の累計は40,620本だった[11]。また、『'99テレビゲーム流通白書』の別集計では、対戦ケーブル同梱版を含む4月の店頭販売数が32,807本で25位とされている[12]

『II』では、公式タイムアタックコンテストの上位入賞者などへ贈る非売品として、HIGH-MACSパイロットジャケットも製作された。アルファ社のCWU-45/Pフライトジャケットをベースに、日本外人部隊、第501機動対戦車中隊、第1空中機動師団、APCの徽章パッチを配したものである[13]。このグッズに関して、軍事・部隊設定に参加した金子賢一は、機動対戦車中隊の母体が攻撃ヘリ部隊だという設定に合わせ、MA-1ではなくノーメックス製CVCタンカースか同じ様式のヘリコプター・パイロット用ジャケットを用いるよう提案したという。金子によれば、CVCタンカースをベースとする案は製造コストのため実現せず、CWU-45/Pが採用された[14]

なお、本作は日本国外では発売されていない。『ガングリフォンブレイズ』北米版のローカライズを担当したWorking Designsは、同作の取扱説明書に収録した「TRANSLATION NOTES」で、『ガングリフォンII』を前作のほとんどあらゆる面を改良した作品と評する一方、米国市場におけるセガサターンの劣勢により、本作を米国で発売できなかったと説明している[15]

評価

国内での評価

『週刊ファミ通』1998年5月1日号のクロスレビューでは、浜村通信、ローリング内沢、ルパン小島が各8点、タイニイ大島が7点を付け、第1作と同じ合計31点を記録した[16]。同号で採点されたのは9作品で、第1作同様31点は単独最高点であった。9作品の平均は約25.1点、中央値は25点で、本作は平均を約5.9点上回った。4人全員が同号の「Best Picks of This Week」でも本作に言及している[17]

  • 浜村通信は、ゲームアーツが技術力の向上へ資金を投じ、その成果を趣味性の高いジャンルにも投入していることを「ゲーム業界のガンコ職人」と表現し、本作を「ロボシミュレーターとして、現在の最高レベル」と評した。販売面での成功も願っている。
  • ローリング内沢は、兵器趣味の強い外観に反して敷居は低く、前作より大幅に遊びやすくなったと評価した。目的が明確で、操作を重ねるほど上達を実感できる点を長所とし、「サイバーでカッコイイ」とも評している。
  • タイニイ大島は、操作の複雑さを指摘しつつ、対人戦では互いの操作ミスも楽しさになり、初心者向けのEXERCISEモードも親切だと評価した。セガサターン2台を用意して通信対戦を遊ぶよう薦めている。
  • ルパン小島は、コックピットに搭乗した感覚を「実戦シミュレーターと言ってもいいくらいの出来」と称賛し、使用ボタンの多さと兵器知識の必要性を初心者への負担としながらも、セガサターン2台を使った通信対戦を「ぜひ、遊んで欲しい」と薦めている。

『セガサターンマガジン』1998年5月1日号の発売前レビューでは、3人の評者が7点、8点、7点を付け、平均は7.33点だった。ツインスティックへの対応、重量感のある効果音、ミッションや武装の増加、通信対戦の緊張感と繰り返し遊べる内容が評価された。その一方で、移動や照準を含む操作は厳しく、通信対戦でも攻守の切り替えが扱いにくいとされ、一般のプレイヤーには習得の難しさが障壁になるとの指摘があった[18]

『ゲーム批評』では、椎野竜彦が「前作の継承と更なる発展による一つの完成形」と題するレビューを寄せた。前作から2年を経てもコントローラーの操作を体が覚えていたとして、操作体系の練り込みと継承を評価している。点光源によるグラフィックの進歩、武装の追加、僚機選択、通信対戦、搭乗機を選べるSURVIVALモードにも触れ、目立つ新機軸だけでなく、派手ではない部分まで強化されたと論じた。一方で椎野は、僚機が自機と同じ目標を狙いやすく、攻撃対象を奪い合う状態になる思考の癖を問題点として挙げた。それでも、ロボットアクションという大ヒットが難しいジャンルをゲームアーツが大切にし、手を抜かずに作ったことが伝わる良作だと結論づけている。そのうえで、良作が必ずしも売れるとは限らず、当時のセガサターン市場では販売面が厳しいことを惜しんだ[19]

海外での評価

本作は日本国外では発売されなかったが、輸入版は英国、フランス、米国のゲーム媒体で取り上げられた。

Official Sega Saturn Magazine

英国のセガサターン専門誌『Official Sega Saturn Magazine』1998年7月号は、本作に94%を付け、操作性93%、リプレイ性94%と高得点を与えた(100%が満点)。ポリゴン表示の乱れは欠点だとしたが、武装の増加、遮蔽物や罠を使う戦術、捜索・防衛・追撃など複数目標を含む任務、ツインスティック対応を長所に挙げ、通信対戦には協力と対戦の双方で大きな可能性があるとした。セガサターンを代表する優れた続編と結論づけている[20]

Consoles +

フランスの家庭用ゲーム誌『Consoles +』第77号は、本作に85%を付け、アニメーション91%、操作性89%、ボリューム90%と高く評価した。前作の仕組みをほぼ継承し、技術的な進歩や新味は小さいとしながらも、同種の作品が少ないセガサターンでは、前作のファンを満足させる堅実な追加作だと評している[21]

Joypad

同じくフランスの家庭用ゲーム誌『Joypad』1998年6月号は、本作に10点満点中5点と厳しい点数を付け、機体のほかヘリコプターや戦車も操作できること、2人で同じ機体を操縦するモード、通信対戦を評価しつつ、ゲーム全体が分かりにくく、コックピット視点に固定され、完成度も平凡だと批判した。これらの追加要素だけでは広く薦められず、前作を好む層向けの作品だと結論づけた[22]

Player One

フランスの家庭用ゲーム誌『Player One』1998年6月号は、数値による採点を示していないが、前作をわずかに改良した続編と評した。操作可能な兵器の増加と2人用通信対戦を長所とした一方、色彩、モデリング、テクスチャーの改善は乏しく、通信対戦にはテレビ、セガサターン、ソフトを各2台分と通信ケーブルが必要になる点も問題視した。作品自体は悪くないものの新機軸に乏しく、主に前作のファンへ向けた内容だとまとめている[23]

GameFan

米国のゲーム誌『GameFan』1998年8月号も数値の採点を行っていない。レビューでは、前作と同じ操作系を保ちつつ、より難しく多様な任務とツインスティック対応を加えた点を評価した。機体アニメーションの滑らかさと通信ケーブルによる協力プレイを長所に挙げる一方、画面解像度が前作より低く見えること、遠方の物体が突然表示される描画上の問題、前作のようなCGオープニングがないことを批判した。ゲーム性は高いが映像面の進歩には乏しい、堅実なメカゲームと結論づけている[24]

GameSpot

米国のゲーム情報サイトGameSpotが2000年に掲載したレビューは、本作に10点満点中7点を付けた。基本構成や操作、グラフィックは前作からほとんど変わらず、激しい場面では処理落ちが起こり、爆発や煙の表現も粗いと批判し、第1作のCGムービーに代わるリアルタイム描画のオープニングは見劣りするとした。長所としては、機体の造形とテクスチャー、光源処理、重厚な効果音を評価している。通信ケーブルによる画面分割のない対戦と、2人で移動と射撃を分担するDOUBLE SEATERは、新要素のなかでも高く評価された。作品自体は『Armored Core』や『MechWarrior』より優れた堅実なメカ・シミュレーターとしつつ、前作との差が小さいため、前作所有者には輸入購入を薦めにくいと結論づけている[25]

制作スタッフ

ゲーム本編のクレジットに記載されたスタッフは次のとおりである[4]

メインプログラム

 浜田 憲一

プログラム

光遊社
 北本 直紀

美術監督

光遊社
 小泉 隆秀

美術

 迫  章久
 平松 孝行
光遊社
 大西 富士美
 小宮 直輝
 森田 典志

プラン作成

光遊社
 竹中 俊雅

データ作成

 原田 修

 庭野 健一
 石川 昌則
 猪俣 竜次

光遊社
 仲村 浩

3Dモデリング

 横川 憲太郎
 祝田 憲一

光遊社
 土井 智樹
 広瀬 雄一

コンテ

 番場 進
 押木 賢

 吉田 聡士

設定

 岡田 厚利
 小川 陽平

データリサーチ

 須永 有三
 長村 琢哉

技術協力

 岡部 博明

メカニカルデザイン

ビークラフト
 山田 隆博

パッケージアート

デザインオフィス メカマン
 岡田 有章

イラスト

 佐藤 和己

ロゴ・マーキングデザイン

ハイドアウト
 高橋 秀治

音楽

T's MUSIC
 佐藤 眞一郎
 幡手 康隆

音響システム

 上条 有

音響効果

 伊良波 穣
 松田 明男

CV

 新山 志保

 磯部 弘
 堀  之紀
 岸野 幸正
 江川 央生
 吉水 孝宏
 高塚 正也
 西脇 保
 渡辺 和彦

協力

青二プロダクション

広報

 海発 建子

デザイン制作

 上村 眞理子

セールス

 岡部 利香
 菅谷 由美
 松下 あゆみ
 林  仙悌

ESP

 塚越 洋
 上西 良夫

テストプレイ

 橋本 晃男
 太田 純一

 小山 慎
 菊池 雄一
 村山 友良
 山田 雄樹

助監督

 林田 浩太郎

監督

 宮路 武

総指揮

 宮路 洋一
 内田 敏幸

株式会社 ゲームアーツ

以上のほか、金子賢一は、軍事・部隊設定にノンクレジットで参加したという[14]。メーカーの友人からの個人的な依頼だったため名前が出ていないが、自身の商業作品における「軍事/部隊設定」の初仕事だったとしている[26]

脚注

出典

  1. ^ a b c d ゲームアーツ「ガングリフォンII 製品情報」(2026年8月22日閲覧)。
  2. ^ 『ガングリフォンII』取扱説明書、ESP、1998年、21頁。
  3. ^ a b c 『セガサターンマガジン』ソフトバンク出版事業部、連載「日本外人部隊広報課分室」第1~7回掲載「ガングリII スタッフ入れ込みコラム」。掲載号は1998年3月27日号(Vol.9)、4月3日号(Vol.10)、4月10・17日号(Vol.11)、4月24日号(Vol.12)、5月1日号(Vol.13)、5月8・15日号(Vol.14)、5月22日号(Vol.15)。執筆者は順に浜田憲一、宮路武、庭野健一、原田修、小川陽平、岡田厚利、須永有三。
  4. ^ a b 『ガングリフォンII』ゲーム本編スタッフクレジット。
  5. ^ 青二プロダクション「新山 志保」(2026年8月28日閲覧)。
  6. ^ 『ガングリフォンII公式ガイド エースパイロットナビゲーター』アスキー発行・アスペクト発売、1998年、8~12頁、「001 兵器資料」内「12式装甲歩行戦闘車改(HIGH-MACS II)」。
  7. ^ 『セガサターンマガジン』ソフトバンク出版事業部、1998年3月27日号(Vol.9)「日本外人部隊広報課分室:ガングリフォンII 機体設定紹介」の「12式120mm滑腔砲」。
  8. ^ 『ガングリフォンコンプリートファイル』光栄、1996年、「GUNGRIFFON WORLD」所収、124~126頁「SPECIAL INTERVIEW[I]GAME制作スタッフ座談会 リアルな世界観の構築に挑んだ強者たち」。
  9. ^ 『ガングリフォンII公式ガイド エースパイロットナビゲーター』アスキー発行・アスペクト発売、1998年、140頁、宮路武「監督からのメッセージ」。
  10. ^ 『週刊ファミ通』アスキー、期待作ランキング(1998年2月25日号、3月6日号、3月13日号、3月20日号、3月20・27日号、4月3日号、4月10日号、4月17日号、4月24日号、5月1日号)。
  11. ^ カリタジアン編著『テレビゲーム・ランキング・データブック 1995.9~1998.8』ベストセラーズ、1998年(1998年4月・5月月間ランキング)。
  12. ^ 『'99テレビゲーム流通白書』メディアクリエイト、1999年所収の1998年4月ソフト店頭販売数。
  13. ^ 『ガングリフォンII』取扱説明書、ESP、1998年、30頁。
  14. ^ a b 金子賢一「『II』の部隊設定とジャケットへの参加」「ジャケットの考証」「CVCタンカースへの言及」X、2011年2月1日(2026年8月22日閲覧)。
  15. ^ 『Gungriffon Blaze』北米版取扱説明書、Working Designs、2000年、24頁「TRANSLATION NOTES」。
  16. ^ 『週刊ファミ通』アスキー、1996年3月22日号、29~33頁「新作ゲームクロスレビュー」。
  17. ^ 『週刊ファミ通』アスキー、1998年5月1日号、32~34頁「新作ゲームクロスレビュー」。
  18. ^ 『セガサターンマガジン』ソフトバンク出版事業部、1998年5月1日号(Vol.13)、214頁「セガサターンソフトレビュー」。
  19. ^ 『ゲーム批評』マイクロデザイン出版局、1998年7月号(Vol.21)、111頁、椎野竜彦「ゲームソフト批評 GAME SOFT REVIEW 8 GUNGRIFFON II――前作の継承と更なる発展による一つの完成形」。
  20. ^ Official Sega Saturn Magazine』EMAP Publishing、第33号、1998年7月、65頁「Gun Griffon II」。
  21. ^ Consoles +』East Midlands Allied Press (EMAP)、第77号、1998年6月、130頁「Gungriffon II」。
  22. ^ Joypad』Hachette Disney Presse、第76号、1998年6月、81頁「Gun Griffon 2」。
  23. ^ Player One』Média Système Édition、第87号、1998年6月、56頁「Gungriffon 2」。
  24. ^ GameFan』Metropolis Media、第6巻第8号、1998年8月、70~71頁、ECM「Gun Griffon II」。
  25. ^ James Mielke「Gungriffon II (Import) Review」GameSpot、2000年5月2日(2026年8月22日閲覧)。
  26. ^ 金子賢一「『II』の軍事・部隊設定は商業作品での初仕事」X、2019年3月27日(2026年8月22日閲覧)。

参考文献

  • 『ガングリフォンII』取扱説明書、ESP、1998年。
  • 『Gungriffon Blaze』北米版取扱説明書、Working Designs、2000年。
  • ガングリフォンII公式ガイド エースパイロットナビゲーター』アスキー発行・アスペクト発売、1998年。
  • 『セガサターンマガジン』ソフトバンク出版事業部、1998年3月27日号(Vol.9)~5月29日号(Vol.16)、連載「日本外人部隊広報課分室」。