2004年9月24日から26日にかけて、アジア最大のゲームイベント「東京ゲームショウ2004」が日本コンベンションセンター通称「幕張メッセ」で開催された。
同イベントに出展された『ガングリフォンアライドストライク』の様子をレポートする。
2004年9月24日から26日にかけて、アジア最大のゲームイベント「東京ゲームショウ2004」が日本コンベンションセンター通称「幕張メッセ」で開催された。
同イベントに出展された『ガングリフォンアライドストライク』の様子をレポートする。
禁止されていたので画面写真は撮影できなかった。
このような枠の中はジャガイモの感想である。いかんせん思い入れが強いこともあってどうしても主観が入ってしまい、枠を多く取らざるを得なかった。その辺りはご了承願いたい。
現在の進捗:85%くらい
これまでのシリーズ作品と同様のミッションクリア形式。多様なミッションが13個用意されているが、今回の試遊で公開されていたのは4ミッションである。
搭乗可能な車種は12式とVW-1のみ。詳細は別項で解説する。
僚機には12式・9式・M16が選択できたものの、どれもミッション開始早々に撃破されてしまい、違いは実感できなかった。
尚、本作ではビルマ解放軍とミャンマー政府軍の紛争が舞台となっているようで、必然的にヴェトナム戦争のようなジャングルにおける戦闘が多数登場する。
河川流域を移動するトラックの部隊を攻撃する。作戦区域の殆どが鬱蒼と繁る密林になっており、視界は極めて悪い。最初の方に登場する(と思われる)ミッションにもかかわらず、レオパルト3やエレファント(実際は名前が変更)、ティーガーといった重装甲車両が多数登場するなど、難易度はかなり高かった。目標はトラックだけなので後は無視してもクリアになるが、敵が多い為そうも行かない。補給のタイミングがポイントとなる。
既に雑誌記事でおなじみの砂漠戦。マップに点在する4ヶ所の石油プラントを破壊するのが目的で、印象としてはガングリフォンブレイズのケープカナヴェラルに近い。試遊できたミッションの中では最も攻略しやすく、こちらは戦闘を避けプラントだけを破壊することも可能だろう。ただし、戦闘区域内の全ての敵を撃破しようとすると、時間がまるで足りなくなり難易度が跳ね上がるという特徴も併せ持っている。空挺降下してくるシュトゥルムパンターが強敵。敵13式・14式も奮闘を見せる。
要するにガングリフォン2のヴォストーチナャリツァを湿地帯の峡谷でやるのだが、敵の数が尋常でないのでとんでもなく難しい。ロシア製の新型機「HX-4」「Mi-57」に苦戦させられる。このミッションをクリアできた一般参加者は1人もいなかった。ちなみにレスキュー役はV-22オスプレイで、これがあっさりと墜とされてしまう。しかし実際にはオスプレイが来る前に自機が落ちることの方が多い…。
ミッション02の逆である。山と川とジャングルが広がる中を友軍輸送部隊が移動するのでそれを護るのが任務である。ホーカム・シュトゥルムティーガー・ヤークトパンターなど高機動機の攻撃が厳しいが、頑張ればクリアできるレベル。味方の90式が頼もしい。
ミッション03は、だだっ広い砂漠に敵と破壊目標がたくさん、という大変判りやすいもので、土橋氏によれば海外向けとのこと。ただ、ゲームとしての出来不出来はともかく、資源不足と環境破壊の深刻な世界にあって「石油施設を“破壊”する」という任務は不自然のような気もする。
ミッション07は覚えゲーミッションであり、段取りを理解していないとクリアできない。
ミッション10では、何もいなかった場所から突然エレファントがPop(出現)したような気がする。それも2回。他にも、内容は詳らかにはしないが、色々とバグがあった。
マップは割と広いが、地形がそれに負けないくらい作り込まれており、どれも楽しめる。
ジャングルという「障害物や起伏で向こうが見えない」状況は、これまでのシリーズ作品にはあまり見られず(強いて言えばキエフとノヴォシビルスクか)、新鮮な感じがした。しかし、やはりウランバートルのような大機甲戦闘ミッションも欲しい。
ステージの構成はもう少し練り込む必要があるかも知れない。ブリーフィングで「エレファントがいるかもしれないので注意せよ」と言われ、出撃直後いきなり目の前にエレファントが現れるのはメリハリがない。
本作の売り、マルチプレイモード。今回はシステムリンクを介しての協力・対戦が実装されていた。このモードでは12式、ティーガー、シュトゥルムパンター、ヤークトパンター、そしてスュペーロートゥルーシュ(SUPER AUTRUCHE)を駆ることができた。僚機も随伴させられるので、2人の協力戦闘では自機も含めると最大で合計4両の友軍がいることになる。
協力(COOPERATION)はシングルモードのミッションを多人数で行うというもの。敵の耐久力が上がるので、友軍が増えたからと言って一概に簡単になるわけではない。
対戦(DEATH MATCH)は、いわゆるバトルロイヤルで、自分以外は全て敵というモードである。こちらは(恐らく)対戦用の特別なマップで戦闘を行う。
今回は未実装だったが、チーム戦(TEAM DEATH MATCH)も楽しめるようである。
12人とも16人とも言われていた本作の最大同時対戦人数は、実際には8人が限界になるかも知れないという。ただしこれは僚機を随伴しない場合の話で、各プレイヤが1両ずつ僚機を随伴する場合には、プレイヤ4両+コンピュータ4両の合計8両が限界になるそうである。
対戦モードで敵の耐久力を調整するのは、あまり適切な解決策だと思えない。攻撃を強くしたり出現数を増やしたりすることで対応した方が良いだろう。
それと、懸念していたことではあるが、対戦は大口径砲の弾が当たらない。通常のFPSと違って弾速の遅い本作では、敵が放った砲弾を見極めてから回避行動に移ることができてしまい、更には後述する操作系統の変更がそれに拍車を掛けている。個人的には「常に回避行動を取っていないと集中砲火でゲームオーバー」程度のバランスが好みなので、弾速はもう少し速くして戴きたい(操作系統の改善は大前提)。
同時対戦人数は最低でも10人は欲しいところだ。12人だと色々なチーム編制が考えられて尚良い。「取り敢えずやれる」ことが重要なので、もし若干ラグが出るようでも、「取り敢えず」12人対戦が設定できるようになっていると嬉しい。
この後で述べるように問題が山積している本作であるが、それでもしかし協力・対戦は物凄く面白かったということは明言しておく。
ただし、この感想に安心して問題を放置することだけは絶対にしないようにね。念の為。
リプレイモードの存在が確認されたが、実装されていなかった。それ以外は不明。
30分くらい延々猿のようにプレイしていられるサバイバルモードは是非とも欲しい。オンラインでできれば最高である。
主人公機だけあって標準的な性能で扱いやすい。武装も幅広いラインナップから選択可能。
VW-1は12式よりも若干速力に長け耐久力が低く設定されているらしいのだが、その差はゲーム中には殆ど判らない程度であった。
大変申し訳ないが、乗っていないので詳しいことは判らない。
ひとまずはスペリングを直して戴きたいところか。真ん中のスペースは要らない。
12式系と同様の性能だが、主砲である30mm機関砲の着弾位置がブレイズのMG1並にばらけるのは戴けない。予想に反して使いにくかった。あとスペリング。
多脚型であり、多少弾を食らっても持ち堪えられる耐久力を持つものの、宿命として足が遅い。とは言え使い物にならないほどではなく、迎撃に用いれば結構役に立ちそうである。
何故かMGやRPも装備可能。ところでティーガーとシュトゥルムティーガーは別扱いなんだろうか?
軽量級の車両である為か脚が速く、HIGH-MACS相手でも引けを取らなかったのは驚き。主砲の35mmもかなり強力で、トータルバランスとしてかなり優れている。
何故かATMを装備できなかった。が、兎にも角にもダチョウに乗れて涙が止まらない…。
本作では、他にもガングリフォン2のように多数の車種を選択できると思われる。この点は大いに評価したい。
こうなってくると、気になるのはAWGS以外の車両や航空機を操縦できるかどうかであるが、質問してみたところスタッフからはかなり前向きな回答があり、期待して良いのではないだろうか。
「コンソールを変えろ」とか「挙動をそれっぽくしろ」とか、対応してくれるのならば勿論そちらの方が良いけれども、まぁでも小うるさい注文をつけるつもりはないので、取り敢えず操縦できるようにしておいて戴きたい。
尚、補給ヘリの操縦は不可能とのことである。予想の範囲内ではあるものの、やはり残念である。
機関砲として30mm・35mm砲、大口径砲として85mm・95mm・105mm・120mm砲、そして140mm・155mm砲が用意されている。
機関砲はオーバーヒートするものの、弾速が速く射線が見える為に照準の設定も容易で、意外に使いやすい。初心者はまず機関砲で感触を掴むと良いだろう。
85〜120mm砲はシリーズ伝統の所謂「GUN」である。口径が小さいと速射ができるとか弾速が速く当てやすいとか、そういった特性はまだ調整されていなかったらしい。尚、滑腔砲の筈なのに、照準が多少合っていなくても目標近くで進路を変えて命中してくれる半誘導弾が放たれたのだが、これはどうにかして欲しいところである。
140mm・155mmは、土橋氏によればフレシェット弾を撃たせたいらしいのだが、今回は未実装でただの強力な砲扱いであった。
12.7mm砲と20mm砲が確認できた。弾切れしないがオーバーヒートがあり、しかも威力はかなり弱い為ソフトスキンへの攻撃くらいにしか使えない。ちなみに対空攻撃ではあまり役に立たなかった。というのは、ヘリが随分と堅くて12.7mm程度では墜とすのに時間がかかりすぎるのである。
ロケット弾。RP-6・RP-8・RP-10の3種類が選択できたが、パラメータの調整はなされていなかったようであり、差はなかった。
4発1セットを同時発射するので見た目が悪く、特に排煙が真っ黒なのはちょっと問題がある。これまでのRPとは性質が全然違って、ばらまき型ではなく直進噴射する為、従来のような面制圧を行うことは不可能になっている。また、弾速がやたらと遅く、直撃させることも困難である。正直言ってかなり使いにくい武装になっており、嬉しくない。
対戦車誘導弾ということになってはいるが、実際にはSAMとATMを兼ねた多目的誘導弾である。それなら「ATM」にこだわらずに「Missile」とした方が自然なのでは…。
OP-A・OP-B・OP-Cは母機誘導タイプである。目標まで直進する。例によってパラメータはどれも一緒。
OP-AAは外見から察するにKEM(運動エネルギーミサイル)と思われる。非常に強力でエレファントも一撃だが、何故か2発しか積めない。
AT-B・AT-CはIR誘導の「打ちっ放し」タイプで、ロフト軌道を描く(発射後上昇して山なりの軌道を取り敵車両の上面装甲を狙う)為、最低射程に制限がある。
いずれの種類もアンロック状態で発射でき、急ぎ撃つ必要に迫られた場合は、直接照準による射撃もできなくはない。
問題点として、射程が短すぎること、弾速が遅すぎること、威力が弱すぎることが挙げられる。どれも致命的である。
まず射程。IFF(後述)との関係かも知れないが、数百メートルしか離れていない目標もロックオンできないのでは役に立たない。視界に入っている敵は全てロックオンできるようにすべきだろう。
次に弾速。ガンリフォンブレイズ並みに遅いのはリアリティがない。またこれは撃ったときではなく撃たれたときの話になるけれども、のんべんだらりと飛来する誘導弾は結構間抜けで緊張感がなく、しかし遅い割に避けられないのはストレスである。
最後に威力だが、パンターに対して2・3発撃ち込まないと撃破できないのでは旨みがない。一発必中の爽快感が消えている。
多種の武装が用意されているのは戦術の多様性を生むので歓迎したい。しかし、武装構成はガングリフォンと同じくメイン・サブ・RP・ATMで固定されており、ガングリフォン2よろしく自由に選べないのは辛いところである。これは例えば「ミサイルをメインにした近接用には30mm機関砲だけの遠距離支援特化装備」や「120mm砲2門の漢装備(笑)」を考えていた人間にとっては非常に憂慮すべき問題である。
一応、この件については土橋氏も直すところがあると認識しているようなので、今後の改善に期待したい。
レールガンやTHELのような電磁兵器は見られなかった。一安心といったところか。
適当に羅列。
14式が滑腔砲を撃ってくるのはどうかと思うが、一方で13式はイメージ通りの弱さ。
いくら何でもエレファントが堅すぎる。
いくら何でもティーガーが速すぎる。脚がシャカシャカ動く様はゴキブリを彷彿とさせる。
ヤークトパンターのフライトは格好良いが、自機の目の前に着地するのは頭が悪い。
MBTとAWGS以外の装甲車が殆ど見られないのは寂しい、と言うかAWGSが多すぎる。サターンの頃はIFVや対戦車車両が頑張りを見せており、現代の戦場との「地続き感」を上手に演出していた。歩かない車両も充実して戴けると嬉しい。
AWGSはモーションが早すぎ、しかも脚の動きと歩行速度が噛み合っておらず、ムーンウォークのようであった。サターン版のこだわりを要求するのは酷かも知れないが、あの偏執的なまでのこだわりがガングリフォンをガングリフォンたらしめていた部分も少なからずあったと感じる。足はしっかりと地面を踏みしめて歩くようにして戴きたい。土橋氏にお話を伺った感じでは大丈夫そうだったので、あまり心配はしていないが…。
「Mi-57」はファミ通にシルエットが掲載されたAWGSで、ロシアのHIGH-MACSのようである。機動性がかなり高い。
空気抵抗を減らす為か、フライト時に脚が折り畳まれるのだが、その様子が…うーん…。
「HX-4」はT-80に脚を生やしたような2脚AWGS。鋳造砲塔が乗っているのを見るとロシア製で間違いなさそうである。誘導弾をがんがん撃ち込んでくる。
2脚の割には車高が異様に低く、リアルではあるのかも知れないが、虫のような動作は率直に言って気持ち悪い。
AWGS以外には「TYPE-98B」なる中国製と思しきMBTが登場していた。
権利関係の問題か、一部ユニットの名称が変更されているのが目についた。確認できたのは以下の通り。
変更された名称、中でも上の2つは格好悪いと思うが、まだ変更が利きそうな感じなので、ゲームアーツにどんどん名称の提案を送るが吉。
参考までに、ジャガイモからは下記のような提案が送付済みである。
ボタン配置は従来と全く異なるものに変更されている。
左スティックで車体の移動(方向を直接入力)、右スティックで旋回・照準を行い、ローラー走行(所謂ダッシュ)はBボタンでオンオフを切り替える。これまでのシリーズ作とはまるでテイストが違い、「砲塔旋回」や「スライド移動」は概念自体が存在しない。
射撃はRボタンで変わらず、武器の変更は何故かLボタンに割り当てられている。STARTがポーズ、BACKが視点切替、Aがフライト(ジャンプ)、XがDLS(マップ)表示オンオフ、Yがリロード、そして右スティック押込みでズームのオンオフを行う。黒・白ボタンは僚機へ指示する際に使うようであるが、戦闘が苛烈であったり僚機がすぐにやられてしまったりして、効果は遂に確かめられなかった。
十字キーではマルチプレイモードでのみ使用し、インスタントメッセージの送信、補給ヘリの要請、ECM(自機が一定時間レーダーに映らなくなりマーカーも消える)の発動を行うらしいが、これも余裕がなく確認はできなかった。
また、操作感も大きく変わっている。
砲塔の旋回が遅い。これはブレイズよりも遅いと感じた。
Aボタンを押してもすぐにフライトしない。1秒弱のタイムラグがあった。
飛行中はホバリングが不可能で強制的に前進させられる。ブレイズに似た感じだが、ただし速度の調節は限定的ながら可能である。
ローラー走行中と飛行中に砲塔を旋回させられない。敵の車列の横を駆け抜けながら応戦するような操作はできなくなっている。
ローラー走行は一定時間(12式で10秒強)で強制解除され歩行に戻る。とは言っても、解除された瞬間にもう一度ローラー走行を始めることも可能である。
今回、最も改善すべきだと感じたのは操作系統である。慣れ親しんだボタン配置から徹底的に変更されているが、これはガングリフォンシリーズのゲーム性を根底から覆すもので、考えた人間は明らかにガングリフォンを勘違いしていると斬ってしまっても良いだろう。
ご存じの通り、従来のガングリフォンの操作は、車体(下半身)の向きを基準にして、そこから砲塔(上半身)の向きを変えて照準を行うというものであった。本作のデザインは反対に、まず右スティックで砲塔を敵に向けつつ、左スティックで車体を移動する。このデザインだと、敵の位置を三角形の頂点として見た場合、プレイヤはその三角形の底辺を往復するような行動を取ることが多くなると思われるが、これは従来のシリーズ作品には見られなかった動きと言える(やってやれないこともないが一般的ではない)。
更に付け加えるならば、AWGSの車体は人間の身体ほどに素早い旋回を行うことはできない。その為、左スティックをぐりぐり回した際、行きたい方向に歩いてくれないという楽しすぎる事態がしばしば発生し、大いに混乱させられた。つまり、この移動方式自体がガングリフォンというゲームに向いていないのである。
それから、ローラー走行を移動とは別のキーで操作するのは使いにくすぎる。HIGH-MACSがローリングするのはごくごく自然な戦術で、スーパーカーが必殺技的にニトロでブーストをかけるのとは意味合いが全く違うということを理解できているのか。
ローリング中の砲塔旋回とスライド移動が不可能なのは致命的と言えるだろう。戦闘の際、ローラー走行は無用の長物と化していた。高速機動のHIGH-MACSで低速車両を蹂躙したり、とっさのスライドで敵弾を躱したり、あるいは敵HIGH-MACSと旋回戦闘で敵の後ろを取り合うのがガングリフォンの醍醐味であった筈なのだが、それを頭から否定されては…。
ローラー走行が十数秒で切れて歩行に戻されるのも爽快感がなく、フラストレーションが溜まるのみであった。何を意図しているのか本気で判らない。
あと、車体も砲塔も旋回速度があまりに鈍いのに辟易させられた。ガングリフォン2の早さに戻して戴きたいものである。サターン版の「仰俯角をつけていると旋回が早くなる」というシステムは、プレイヤに操作技術の上達を求めるのと、車両の重量感を再現する上で、非常に優れていたと思う。是非とも復活させて戴きたい。
そして、この旋回速度とスライド移動ができないせいで、飛行時の自由度が極めて低くなっており、攻撃ヘリの雰囲気が出ていない。サターン版のように後進までも自由自在にする必要はないと思うが、今のままだとせいぜい爆撃と脱出にしか使えないのは確かであろう。
脱出に使うにしても、ボタンを押してから実際に飛ぶまでに時間がかかりすぎ、必要に迫られてから飛行を試みても間に合わない感じであった。
最後に、旋回は入力がデジタルっぽかったように思う。ガングリフォン2のような慣性の働きが感じられなかったという意味である。
以上のように、今回なされた操作系統の変更は、これまでのガングリフォンの面白さをことごとく殺ぐものであり、絶対に賛成できない。
現に、ネットを見回しても、今回の変更を歓迎する感想はほぼ存在しないと言い切って過言ではなく、直ちにサターン版の操作系統に戻すべきだと考える。海外のFPSプレイヤを狙っての変更が殆どであろうが、もしこのまま行けば国内に多数いるファンを確実に失うということを、関係者の方は肝に銘じておく必要がある。
さて、新たに追加されたリロードだが、要らないと思う。煩わしくなるだけでちっとも面白くないし、そもそも「携行戦車砲のリロード」に違和感を感じる。それっぽくない。
リロードにボタンを割くくらいなら他に入れられる機能はいくらでもあるだろう。暗視装置とかスモークとかデコイとか。
一方、DLSは割と良い感じである。本作ではDLSを表示してもポーズがかからないので、半透明のマップとその向こうの景色を同時に見つつ移動するなんていう芸当も可能になっており、リアルかどうかは別にして非常に便利である。
で、ECMって何?
コクピット視点のレイアウトは既に公開されているものと大差はなかったが、後方視点(TPS)は変更が加えられており、コクピット視点(FPS)と殆ど変わらない情報が得られるようになっていた。
本作から新たに導入されたのがこの後方視点であり、言うまでもなくこの視点では視界が広がり索敵しやすくなる。尚、ズームをオンにするとその間だけ強制的にコクピット視点になる。
緑六角形が友軍機、赤矩形が敵機、青矩形が非武装目標(敵味方問わず)を示す。遠い目標ではマーカーが大きく、近い目標では小さくなる。下の距離計の単位は10cmで、上には機種名が表示される。
IFFのシステムは完全に把握できなかったのだが、「一定距離以上離れている敵は識別できない」「静止している敵は識別できない」といった特徴がある模様。
コクピットのデザインは相変わらず格好悪いままで誠に残念である。面白いのは後方視点で、当初とは異なりコクピットほぼ同様の計器が表示されるのだが、レイアウトなどが何故かサターン版のガングリフォンに似たシンプルなデザインになっており、好感が持てた。コクピットもこんな感じなら良かったのにと思う。
(しかし、今となってはもうどうしようもないが、E3の頃からこの方向性を容認するような評論をしてきてしまったことが悔やまれる。白状すると当時は本作にあまり期待していなかったので、「まぁこんなもんか」程度の気分で発言しており、そしてその後も同じ流れで評価していたのだが…きちんと考えてものを言っておけば、こんなことにはならずに済んだのかも知れない。失敗した)
閑話休題。
このデザインの悪いところは兎に角「うるさすぎる」ことに尽きる。「がちゃがちゃしすぎ」という言い方もできるが、要は演出が過剰なのである。
無意味に引かれた線、何故か傾いた計器、装飾されたフォント、どれも過剰な演出の一端であり、兵器に乗っているのだという雰囲気や没入感を殺ぐものに他ならず、興醒めするし、更に深刻なことには文字の可読性を損ねている。一部の計器が点滅するのには閉口させられた。
左下の「HIT」「WARNNING」などの状況表示は、実は音ゲーも真っ青の物凄い勢いで流れてゆく為、雰囲気がぶち壊しの上に、読めない。読めない表示に意味はない。即刻改善すること。
それからHIT・MISS・DESTROYEDの表示は必要ない。音を聞いたり画面を見たりすれば判る情報を敢えて文字で読ませる意義が私には理解できない。特に敵機を破壊できたかどうかなんてことはレーダーがあれば確認できる筈である。
ゲームデザインとしての意図があるのかもしれないけれども、被弾方向が判らないレーダーはかなり辛い。レーダーに映ってさえいれば、攻撃している敵は判別できるものの、後述するが敵がレーダーに映っていない場合が多々あり、そうした場合は肉眼で敵を探すしかない。
ところで、コクピットと後方視点で得られる文字情報に差異がないとなると、当然、視野の広い後方視点が圧倒的に有利になる。後方視点の方が照準がつけにくくなっているといったような、コクピット視点の不利を覆す仕掛けはなかったが、これで良いのだろうか?少なくともジャガイモ自身は、今のコクピットは使いにくいので、後方視点で愛機を操りたいと感じている。しかし、本当にそんなコクピットで良いのか?
マーカーに関して。
これも恐らくゲームデザインとして意図しているのだとは思うが、非武装目標が敵と味方のどちらに属しているか色で判らないのはどうにも不便である。同じミッションで友軍・敵のトラックが同時に登場するような状況ではどう識別すれば良いのだろうか。それともそういった場面は本作には存在しないのか。
マーカーが大きくなったり小さくなったりするよう改善されたのは嬉しい限りだが、もう少し大小の差が顕わでないとあまり意味がない。「距離計がついているから差はなくても良い」と考えているならばそれは間違っている。距離計を読まなくてもある程度の距離を掴めるところに意義があるのだ。これは例えば、射程に制限のある兵装を使用する場合や、重装甲車両を遠距離から狙う場合に実感できると思う。逆に、一定以上近い・遠い距離にある目標はマーカーの大きさが変化しなくても良い、という言い方もできるだろう。大体の距離が判るのと正確な距離が判るのとは違う。
マーカーは、「拡縮が派手」(サターン版風)か「常に小さい」(航空機風)の2択しかないと考えている。
IFFが腐っているのは勘弁して戴きたい。明らかに目の前に敵機がいるにもかかわらずマーカーが表示されないのはどう考えても怪訝しい。砂漠ステージではかなり泣きたくなる。
システムを理解できなかったので参考以下で読んで戴きたいが、「一定距離以上離れている敵は識別できない」のは論外として、「静止している敵は識別できない」というアイディア自体は決して悪いものではないと思う。しかし、移動している敵が立ち止まった瞬間マーカーが消えるようなことがあると、やはり不自然に感じられる。静止したまま数秒間その状態を保つとマーカーが消えるなどという風にした方が良いのではないか。
レーダーに関して。
そもそもAWGSにレーダーは搭載されていない。実際ゲーム中でもDLSと呼称されてはいるものの、挙動がレーダーっぽく見えたことは…さておく。
既に公開されている画面写真を見れば判る通り、本作のレーダーには各ユニットの進行方向が表示される。これが何と言うか割と微妙な感じで、サターン版のようにただの光点に戻した方が良いかなと思わないでもない。
ちなみに、サターン版では攻撃中の敵ユニットは色が黄から赤に変わることで現示されたが、本作の仕様ではカーソルが点滅する。正直かなりみっともないので止めて戴きたい。
総合的に見て、コクピットはサターン版の方が優れている。
各部位HPゲージや残ターゲット数などといった「うるさい」情報は、せめてXボタンで出てくるDLS画面に(地味に)表示することを提案したい。あのDLS画面は宝の持ち腐れである。
フレームレートが低い、止まる、暈ける。これに尽きる。
ただし、聞いたところによれば、TGSのバージョンはエフェクトを掛けられるだけ掛けているもので、更に他の要因も絡んでフレームレートが酷いことになっているが、製品版ではその辺りは改善されるそうである。まぁ当然だろう。
尚、具体的な数値としては常時30FpSかそれ以上を目指しているとのことであった。
気になったエフェクトとしてローラー走行時のモーションブラーがある。これは絶対要らない。…と会場にて進言したところ、廃止する方向で調整するという。安心である。
その他のエフェクトに関しては、あまりじっくり見られなかったのでよく判らないが、アフターバーナーが派手すぎることを除いては、概ね問題なかったと思う。
色調に関してはかなり抑え目で、雰囲気が出ている。この線で進めて戴きたい。
本作から新たに導入されたのが部位損傷である。各部位が被弾しHPがなくなると以下のような効果が現れる。
予て部位ダメージ性の導入を求めていた身としては大変言いにくいのだが…残念ながら、実際遊んでみてあまり面白くない印象を受けた。HIGH-MACSに乗っていた場合、頭部・腕部・脚部のどこか1ヶ所でも破損した段階で挽回するのは極めて難しくなってしまう。
ただし、部位ダメージというシステム自体が駄目だったとは思っていない。要はバランス調整の問題である。
取り分け調整の必要を感じたのは腕部の破損である。「腕のない車種では主砲が使えなくなる」と書いたが、これはパンター・ティーガーなどに搭乗していた場合、死に直結する。機能が完全に死ぬのではなく、「連射性能が目に見えて落ちる」とか「時々弾が出なくなる」とか「命中精度が散々になる」とか、ある程度制限するような形にした方が良いだろう。
サウンドは会場内がうるさすぎて全く判別不能であった。判ったのは、誘導弾の飛来を知らせる警告音が、懐かしの被ロック警告音であったことのみ。
ブリーフィングについて。雰囲気は出ていると思うが文字送りの速度が遅すぎてまどろっこしい。早送り機能はないものか。
車種や武装を選択する画面は、メニューが全部画面に入っていないのが判りづらい。反応がワンテンポ遅れるのも引っ掛かった。
雑誌などで取り上げられた「集弾率」はよく判らなかった。車体を振り回した際にマシンガン系の武器が多少ばらけたようではあるが…。
再び姿を見せた補給ヘリについて。
実は、今回の試遊では、補給は空中に停留したヘリの近くに寄ることで行われた。プレイヤ補給ヘリを呼び寄せた場合に、斜面や森林地帯にヘリを着陸させるわけには行かないのでこうなったと聞いたが、理由はどうあれ、空中補給形式はどうしても他のロボットゲームが想起されてしまう。補給可能な場所に制限を掛けてでも補給ヘリは着陸させた方が良い。
ネットワーク関連
部屋名パイロット名
ランキングはどうなる
上記に書けなかった話
GA開発三部土橋ディレクター
テクモ武松氏
執拗く言うが、一にも二にも問題は操作系統にある。操作系統の改善は最優先課題として今後の開発に臨むべきであろう。